マットレスの15cmと20cmは、単純に「20cmのほうが厚くて上位」とは言えません。
違いを判断するポイントは、追加された5cmの中身です。クッション層が厚くなったのか、コイル構造が変わったのか、別素材が増えたのかで、寝心地・重量・扱いやすさはまったく違います。
実際、ニトリの現行商品には、厚さ15cmで約24kg・2層ポケットコイルのモデルがある一方、厚さ20cmで約16.5kg・1層のポケットコイルを使うモデルがあります。つまり、20cmのほうが重い、構造が複雑、高性能とは限りません。
15cmは寝面を低く保ちたい、薄型のベッドマットレスを選びたい、扱いやすさも残したい人が比較しやすい厚さ。20cmは、ベッドフレーム上で使い、クッション層や沈み込みの余裕を取りたい人が候補にしやすい厚さです。
まず見るべきは「5cm増えたこと」ではなく「5cmの中身」
15cmと20cmを比べるとき、最も避けたいのが「5cm厚いから20cmのほうが寝心地も耐久性も上」と決めることです。
マットレスの厚さは、コイル、ウレタン、キルト、中綿、ファイバーなどを積み重ねた結果です。20cmになった理由が、クッション層を増やしたからなのか、コイルを高くしたからなのか、そもそも別構造の商品なのかで意味が変わります。
同じメーカーの現行商品を見ても、この違いははっきりしています。
| 商品例 | 厚さ | 主な構造 | シングル重量 |
|---|---|---|---|
| ニトリ US4 | 15cm | 2層ポケットコイル+ウレタン | 約24kg |
| ニトリ RJ05EC | 20cm | ポケットコイル+ボリュームキルティング | 約16.5kg |
| GOKUMIN アルティメイトマットレス | 15cm | 4層ウレタン | 約13.5kg |
| GOKUMIN プレミアムスプリング | 20cm | ポケットコイル+高反発ウレタン | 約22kg |
この比較から分かるのは、厚さと重量、層数、コイル数、寝心地は別々に確認しなければならないということです。
15cmはすでに「薄いウレタンだけ」の厚さではない
15cmになると、商品によっては本格的なベッドマットレスの構造を持っています。
ニトリのUS4は厚さ15cmながら、薄型ポケットコイルを2層重ね、ウレタンを組み合わせた構造です。GOKUMINのアルティメイトマットレスは、低反発・高弾性・高反発など4層のウレタンを組み替えられる設計です。
ボンネルコイルでも15cmの現行商品があります。ニトリの「デイ」は厚さ15cm・約11kg、GOKUMINのプレミアムボンネルコイルは厚さ15cm・シングル約15kgです。
つまり、15cmは「薄いから簡素」とは限りません。
15cmで十分な構造・寝心地が得られる商品なら、20cmへ厚くする理由は「数字が大きいから」ではなく、20cm側に欲しい機能や感触があるかどうかになります。
20cmのメリットは「厚みの余裕」を設計に使いやすいこと
20cmでは、コイルとクッション層の両方に厚みを確保した商品が多く見つかります。
ニトリのRJ05ECは厚さ20cmで、ポケットコイルに加えてボリュームキルティングを採用。メーカーは10層に及ぶ構成と案内しています。GOKUMINのプレミアムスプリングマットレスは厚さ20cmで、ポケットコイルと32D・180Nの高反発ウレタンを組み合わせています。
同じ素材・似た硬さ・似た構造であれば、厚さ20cmのほうが体が沈んだあとに残る厚みを確保しやすくなります。
ただし、15cmと20cmで構造そのものが違えば、「5cm増えた効果」だけを切り出すことはできません。
20cmを選ぶなら、追加5cmの中に何が入っているかを商品断面・詰め物表示で確認してください。
15cmと20cmで迷うなら、床置きより「ベッドでの使い方」が重要になりやすい
15cm・20cmは、どちらもベッドマットレスとして販売される商品が多い厚さです。
フランスベッドの2026年3月更新の厚さガイドでは、成人向けノンコイルマットレスは15〜20cm程度も適切な厚さとして紹介されています。一方、20〜30cm以上の厚手マットレスはベッドフレームに載せて使うよう案内しています。
床へ直接敷きたい場合は、「15cmだから床で使える」「20cmだから使えない」と厚さだけで決めないでください。
確認するのは次の2点です。
- メーカーが床・畳への直接使用を認めているか
- 持ち上げて換気・立て掛けできる重量か
20cm級のコイルマットレスは20kg前後になる商品もあり、毎日持ち上げる用途には向かない場合があります。床使いを前提にするなら、厚さ以上に重量と手入れ方法が重要です。
同じフレームなら、20cmは寝面が5cm高くなる
同じベッドフレームへ載せるなら、20cmは15cmより寝面が5cm高くなります。
この5cmは小さく見えますが、実際のベッドでは次に影響します。
- 立ち座りしたときの高さ
- ヘッドボードの見える範囲
- サイドフレームからの出方
- ロフト・二段ベッドの安全柵との位置関係
- 手持ちのボックスシーツのマチ
特にロフトベッドや二段ベッドは、マットレスを厚くしすぎると安全柵の有効高さが減るため、フレーム側の指定を優先します。
15cmから20cmへ替えるときは、寝心地だけでなく完成後のベッド全体の高さを5cm上げてよいか確認してください。
重さは20cmのほうが重いとは限らない
厚くなるほど材料が増えるため、同じシリーズ・同じ素材なら20cmのほうが重くなりやすいと考えられます。
ただし、別商品同士を比べると逆転します。
ニトリでは、15cmのUS4がシングル約24kgなのに対し、20cmのRJ05ECは約16.5kgです。15cmのほうが7kg以上重い現行例になります。
これは15cm側が2層ポケットコイル、20cm側が別構造だからです。
そのため、ローテーションや引っ越し、掃除のために動かす予定があるなら、「15cmだから軽い」「20cmだから重い」と推測せず、完成品重量を確認してください。
底付きが心配なら、15cm・20cmより「同じ構造で比べる」
厚みが5cm増えれば底付きへの余裕を作りやすくなりますが、別構造の商品では単純比較できません。
15cmの硬めコイルと20cmの柔らかなフォーム、15cmの4層ウレタンと20cmのポケットコイルでは、沈み込み方が違います。
厚さ差を正しく比べたいなら、できるだけ次の条件をそろえます。
- 素材:ウレタン同士、ポケットコイル同士など
- 硬さ:N値やメーカーの硬さ表示を近づける
- 層構造:一層・多層・コイルの段数を確認
- 表面材:低反発・高反発・キルトなどを確認
そのうえで、普段の寝姿勢で肩・腰・お尻が沈んだときに、15cmで十分な余裕があるかを見ます。
15cmで底付きや過度な沈み込みを感じないなら、20cmへ厚くする必要性は小さくなります。反対に、似た構造で15cmでは余裕が足りないと感じるなら、20cmを比較する意味があります。
耐久性は5cmの差では決めない
「20cmのほうが厚いから長持ち」とは限りません。
ウレタンなら密度・復元率・層ごとの仕様、コイルなら線径・コイル構造、完成品ではメーカーの耐久試験や保証条件などを確認する必要があります。
実際、現行商品の保証期間も厚さ順には並びません。ニトリの15cm US4は5年保証、20cm RJ05ECは1年保証です。
これは15cmが20cmより必ず長持ちするという意味ではなく、保証はモデルごとの条件であり、厚さから推測できないことを示します。
耐久性を重視する場合は、厚さより先に商品ごとの品質表示・保証条件を確認してください。
15cmを選びやすい人
15cmは、次の条件に当てはまる人が比較しやすい厚さです。
- ベッドの寝面を高くしすぎたくない
- 薄型でもコイル・多層ウレタンなど本格的な構造を選びたい
- 20cmにする明確な理由がない
- フレームの高さ制限がある
- 商品によっては移動・収納のしやすさも残したい
15cmでも構造の選択肢は十分あります。厚さだけで20cmへ上げず、候補商品の中身が目的に合っているかを優先します。
20cmを選びやすい人
20cmは、次の条件なら候補にしやすくなります。
- ベッドフレームに置きっぱなしで使う
- 寝面が5cm高くなっても問題ない
- 似た構造の15cmでは沈み込みの余裕が足りない
- 厚いクッション層・キルティングなど、20cm側の構造に魅力がある
- 重量より寝具としてのボリュームを優先する
20cmを選ぶ理由は「厚いから安心」ではなく、20cmの商品にしかない構造や余裕が自分に必要かで考えると失敗を減らしやすくなります。
結局どっち?最後は「追加5cmに価値があるか」で決める
| 確認する順番 | 15cmを選びやすい | 20cmを選びやすい |
|---|---|---|
| 中身 | 15cm側ですでに欲しい構造がある | 20cm側で欲しい層・クッションが増える |
| 沈み込み | 普段の姿勢で余裕がある | 似た構造の15cmでは余裕不足 |
| 寝面高 | 低めを保ちたい | 5cm高くなっても問題ない |
| 扱い | 薄さ・取り回しを残したい | 置きっぱなし前提で重量を許容できる |
| フレーム | 15cmが指定範囲に合う | 20cmが指定範囲に合う |
マットレス15cmと20cmの違いは、5cmという数字より「その5cmで何が追加されるか」です。
15cmでも2層ポケットコイルや4層ウレタンなど、十分に複雑な構造の商品があります。20cmでも15cmより軽い商品があります。厚さだけを品質の序列にせず、中身・寝面高・重量・フレーム適合を確認して選んでください。
寝具の感じ方には個人差があります。最終的な商品選びはご自身で判断し、購入前にメーカー・ブランド公式の商品仕様、厚さ・素材・構造・重量、設置条件、お手入れ方法、返品・保証条件なども確認してください。

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