マットレスは、硬めと柔らかめのどちらが一律に正解というものではありません。
選ぶ基準は「硬いほうが支えられそう」「柔らかいほうが気持ちよさそう」ではなく、寝たときに体が沈みすぎていないか、反対に浮いてフィットしていないかです。
柔らかすぎると、お尻や腰など荷重がかかる部分が深く沈み、体が「く」の字になりやすくなります。硬すぎると、体の凹凸にマットレスが沿わず、肩・腰まわりなどが浮くことがあります。
迷ったら、体重や寝姿勢は「最初に試す方向」を決める参考にとどめ、最後は自分の寝姿勢で沈み込み・フィット感・寝返りを確認してください。
硬め・柔らかめの答えは「沈みすぎ」と「浮きすぎ」の間にある
無印良品は、柔らかすぎるマットレスでは体が「く」の字に落ち込み、硬すぎるマットレスでは体が浮いてフィットしない状態になると案内しています。
そのため、硬さ選びは次のように考えると分かりやすくなります。
| 寝たときの状態 | 考えられること | 次に試す方向 |
|---|---|---|
| 腰・お尻が深く沈み、体が折れるように見える | 柔らかすぎる可能性 | 1段階硬めを試す |
| 肩・腰などに隙間ができ、体がマットレスから浮く | 硬すぎる可能性 | 1段階柔らかめを試す |
| 横向きで肩・腰が適度に沈み、背中側から見て大きく曲がらない | 硬さが合っている候補 | 寝返りも確認する |
| 仰向けで腰だけ落ち込まず、体全体が支えられている | 硬さが合っている候補 | 普段の寝姿勢でも確認する |
| 寝返りのたびに体を持ち上げる感覚が強い | 沈み込みが深すぎる可能性 | 少し硬め・反発のある候補も試す |
ここで重要なのは、「柔らかめがダメ」「硬めがダメ」ではなく、自分にとって極端になっていないかです。
体重・寝姿勢は「試す順番」の参考にする
公式の選び方を見ると、体格や寝姿勢によって試しやすい方向には傾向があります。
無印良品は、体重が軽い人・横向き寝が多い人には柔らかめ、体格が大きい人・仰向け寝が多い人には硬めを案内しています。IKEAも、横向き寝ではやや柔らかめ〜ふつう、仰向け・うつ伏せではやや硬めを目安として紹介しています。
ただし、これは「横向きなら必ず柔らかめ」「体重が重ければ必ず硬め」という意味ではありません。
同じ横向き寝でも、肩幅・腰幅・体格・表面クッションの厚さで沈み込み方は変わります。同じ体重でも、体型や好みが違えば寝心地は変わります。
使い方としては、次の程度にとどめるのが現実的です。
- 横向きが多い・体格が軽め:柔らかめ〜ふつうから試し、肩・腰が沈めるかを見る
- 仰向けが多い・体格が大きめ:ふつう〜硬めから試し、腰・お尻が落ち込みすぎないかを見る
- 仰向けも横向きも多い:ふつうを比較の起点にし、どちらの姿勢でも極端な浮き・沈みがないかを見る
体重と寝姿勢は「答え」ではなく、最初にどの硬さから試すかを決めるための入口です。
「硬め」「柔らかめ」の表示はメーカーをまたいで同じではない
商品ページの「硬め」「柔らかめ」という文字だけで比較すると、選びにくくなることがあります。
フランスベッドは、同じ「硬め」と表記されていても、メーカーや商品によって実際の寝心地が異なるため注意が必要と案内しています。
また、消費者庁の家庭用品品質表示法では、ウレタンフォームマットレスについて、JISの試験で測定した硬さを次のように表示します。
- 110N以上:かため
- 75N以上110N未満:ふつう
- 75N未満:やわらかめ
この区分はウレタンフォームマットレスの硬さ表示です。ポケットコイルや連続スプリングなど、構造の違うマットレス同士をこのN値だけで横並びにするものではありません。
つまり、購入時は「硬め」という単語の一致より、同じブランド・同じシリーズ内で硬さ違いを比較するほうが判断しやすくなります。
同じポケットコイルでも、硬め・ふつう・柔らかめを作れる
硬さは「素材や構造の名前」と一対一では対応しません。
無印良品の現行ラインには、同じポケットコイル系でも、柔らかめ・ふつう・硬めの商品があります。日本ベッドにも、同じポケットコイル系で「やわらかい」「ふつう」と異なる寝心地の商品があります。
硬さを左右するのは、たとえば次の要素です。
- コイルの線径・配列
- ウレタンなど表面クッションの硬さ
- 詰め物の厚さ
- ゾーニング
- フォームの反発や密度
- キルト・表地の仕様
そのため、「ポケットコイルだから柔らかめ」「高反発だから硬め」のように素材名だけで決めないでください。
硬めが合わないときは「当たり」ではなく「浮き」を確認する
硬いマットレスに寝たとき、単に「しっかりしている」と感じるだけなら問題とは限りません。確認したいのは、体の凹凸へマットレスが届いているかです。
無印良品は、硬すぎる状態を「身体が浮いて、フィットしていない」と説明しています。フランスベッドも、硬すぎると肩・腰・お尻など一部に圧力が集中しやすいと案内しています。
店頭では次を確認してください。
- 横向きで肩がまったく沈まず、体が傾いていないか
- 仰向けで腰の下に大きな隙間ができていないか
- 体の一部だけに強い当たりを感じないか
- 数分横になったあとも体全体がマットレスへなじまない感覚がないか
この状態なら、「もっと支えが必要」と考えてさらに硬くするのではなく、1段階柔らかい候補も試して比較します。
柔らかめが合わないときは「沈む深さ」と「戻りやすさ」を確認する
柔らかい寝心地が好みでも、沈み込みが深すぎると体勢を変えにくくなる場合があります。
無印良品は、柔らかすぎる状態を体が「く」の字に落ち込む状態として示しています。フランスベッドも、柔らかすぎると腰やお尻が深く沈み、寝返りがしにくくなる場合があると説明しています。
柔らかめを試すときは次を見ます。
- 横になって数分後、腰・お尻だけ深く沈んでいないか
- 仰向けから横向きへ自然に寝返りできるか
- 体勢を変えたあと、マットレスが動きに追従するか
- 包まれる感触を心地よいと感じるか、動きにくいと感じるか
柔らかさ自体が問題なのではなく、自分の体格に対して沈み込み量が大きすぎないかを確認するのがポイントです。
迷ったら「ふつう」を基準に1段階ずつ動かす
硬めと柔らかめのどちらにも決め手がない場合は、最初から極端な硬さを選ぶ必要はありません。
現在の無印良品やIKEAには「ふつう」の硬さのマットレスが用意されています。仰向けと横向きの両方で寝る人や、自分の好みがまだ分からない人は、ふつうを比較の起点にすると差を判断しやすくなります。
試し方はシンプルです。
- まず「ふつう」で普段の寝姿勢を取る
- 浮く・当たりが強いなら1段階柔らかめを試す
- 沈み込みが深い・動きにくいなら1段階硬めを試す
- 最後に3候補の中で寝返りのしやすさを比較する
この方法なら、「体重○kgだからこの硬さ」と数字だけで決めるより、自分の体で硬さの方向を確認できます。
店頭では5分で終わらせず、普段の寝姿勢と寝返りまで試す
IKEAも、マットレス選びでは実際に横になり、普段の寝姿勢で確認することを重視しています。
購入前に試せるなら、次の順番で確認してください。
- 普段いちばん多い寝姿勢で横になる
- 仰向け・横向きの両方を試す
- 腰・肩が沈みすぎていないか、浮いていないかを見る
- 左右へ数回寝返りする
- 硬め・ふつう・柔らかめを同じ条件で比べる
通販で選ぶ場合は、お試し・返品制度があるかを確認し、期間だけでなく、対象商品、交換・返品の条件、返送方法、送料負担などまで公式情報を確認してください。
結局、硬めと柔らかめはどっち?
最終的には、次のように考えると選びやすくなります。
- 沈み込みが深く、腰・お尻が落ち込みやすい → 今より硬めを比較
- 肩・腰が浮き、体がマットレスになじまない → 今より柔らかめを比較
- 横向きが多い・体格が軽め → 柔らかめ〜ふつうから試す
- 仰向けが多い・体格が大きめ → ふつう〜硬めから試す
- 判断できない・寝姿勢がよく変わる → ふつうを基準に前後1段階を比較
マットレスの硬め・柔らかめは、体重表の答えをそのまま買うのではなく、「沈みすぎているなら硬く、浮きすぎているなら柔らかく」と、自分の寝姿勢を見ながら調整するのが基本です。
同じ「硬め」「柔らかめ」でも商品によって寝心地は異なります。最後は候補商品を実際に試すか、公式の硬さ表示・素材・構造・お試し条件を確認して選んでください。
寝具の感じ方には個人差があります。最終的な商品選びはご自身で判断し、購入前にメーカー・ブランド公式の商品仕様、素材・構造、使用条件、お試し・返品・保証条件なども確認してください。身体の痛みやしびれ、強い睡眠の悩みが続く場合は、寝具だけで解決しようとせず医療機関への相談も検討してください。
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